自在性で先行抜け出しに期待/レインボーS

2015年09月18日(金) 18:00


一転、今週は先行残りがあって当然

 今週の芝のポイントは、先週で示された「クッション性確保」に重きを置いたソフトで、少々タフなコンディションはそのままか。芝での逃げ切りは土、日を通して1鞍もなかったが、騎手のレースの進め方に変化はあるのか、だろう。

 また、今週も中間に雨が降った。先週と同じように、エアレーション整備(バーチドレンによる芝への穴あけ)の影響は、これまでの中山開催より大きいだろう。芝を張り替えた内寄りの方がエアレーション効果は大きいように見えたが、まだ、開催が進んで芝が踏み固められるほどレースは行われていない。内の方がよりソフトでタフなコンディションだろう。

 ふつうのペースで内を通って先行しながら、開幕週なのに逃げ切りがなかったのだから、「逃げ=先行馬」がもっとペースを落とそうとする可能性は高い。はっきり緩い流れが多くなるようだと、別に内ラチ沿いの芝が悪いというわけではないから、先週とは一転、先行残りがありそうである。先週を教訓に、「差し=追い込み馬」にマトを絞る手もあるが、レースの流れはいかようにも変化する。強気に飛ばす人馬がなく、ゆるく落ち着いた流れが生じるなら、一転、今週は先行残りがあって当然。中山コースである。

 ここはスローに近いペースになること必至とみて、自在性に富むダイワリベラル(父ダイワメジャー)の先行抜け出しに期待したい。

 前回の新潟では追って案外(上がり34秒6)だったが、同じような上がり34秒台中盤の時計で春の中山の1600万条件を「3着、3着、2着、3着」。他場では詰めが甘く、入着止まりが多いダイワリベラルだが、中山の芝は通算【2-2-3-0】。先行抜け出しの自在脚質を生かし、まず凡走はない。いま絶好調の種牡馬ダイワメジャーの産駒を、総じて…などとくくることはできないが、先行して粘り強かった父のイメージに、ここまでの稼ぎ頭の1頭コパノリチャード(母の父はダイワリベラルと同じくトニービン)のしぶとい先行力を重ね合わせると、ダイワリベラルはさもありなんというタイプに思える。横山典弘騎手なら、相手の出方を見つつ、ここは正攻法の先行策だろう。現在のソフトで、しかしタフな芝が詰めの甘さを解消してくれる可能性が非常に高い。

 中山の芝で全4勝を記録するライズトゥフェイム(父ゼンノロブロイもおそらく現在の中山向き)と、早めにスパートも可能なサクラボールド(父オペラハウス)が相手本線。カムフィーダノンフェニックスレッドセシリアを押える。

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柏木集保

1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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