2016年11月05日(土) 12:00
当コラムで早くから注目していたアルマンダンは、もちろん頭で買っていました。その相手として2〜4着に来た馬もマークしていたのです。ところが、2着になったハートブレークシティーは3着にしか買っていませんでした。オーストラリア初出走の欧州馬ということで、狙いを下げてしまったのが大失敗。“ハートブレークツアー”になっちゃった次第です。
でもやっぱり、あのレースのお祭りムードは、何度体験してもいいものです。エラそうなことを言っている割には、いまだにイギリスのダービーもケンタッキーダービーも見たことがない私ですが、メルボルンC観戦は“病みつき”になりますね。みなさんもチャンスがあったらぜひ一度見に行ってください。
さてさて、今回のオーストラリアツアーで楽しませてもらったのは、メルボルンCだけではありません。レース前日の夜、市内の大型カジノにある「TAB」(馬券+犬券等発売所)で、世界各国の馬券を買って遊ばせてもらいました。
日本では今年ようやく解禁された海外競馬の馬券発売ですが、海外ではとっくの昔に当たり前のことになっています。オーストラリアはその最先進国と言ってもいいでしょう。24時間営業のカジノの一角には自動券売機と有人の発売窓口があり、カップ前日は夜通しで馬券を売っていました(ただし、有人窓口に係員がいるのは午前0時まで)。
私がそこにいた現地10月31日の夜10時頃から翌1日の午前1時頃までの間に発売されていたのは、イギリス3カ所、フランス、ドイツ、アイルランド各2カ所と南アフリカ、スウェーデン各1カ所の馬券。ごく限られたレースをたまに売るような日本の場外発売とは比べものにならないボリュームです。
売り場には2つのモニターテレビがあり、オーストラリアの競馬+競犬専門局「SKY」が2つのチャンネルをフルに使って、ほとんどのレースを生中継しています(一部はラジオ中継のみ)。まさに居ながらにして世界各国の競馬を楽しめるわけです。
さらにスゴイことに、「TAB」のホームページでは、それら全レースの出走馬の近走成績を見られるんです。なので、iPadやスマホさえあれば、どこの国のどのレースであっても馬券検討がカンタンにできちゃうんですよ(当たり馬券を見つけるのはカンタンじゃないですけどね)。
当日の戦績は、南ア、英、仏、愛、独、スウェーデンの馬券を立て続けに10レースほど買って、ほぼチャラ。われながら大健闘と言っていい結果でした。近い将来、日本でもネット投票でいいからこういうことができるようになるといいなぁと思うのですが…。
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矢野吉彦
テレビ東京「ウイニング競馬」の実況を担当するフリーアナウンサー。中央だけでなく、地方、ばんえい、さらに海外にも精通する競馬通。著書には「矢野吉彦の世界競馬案内」など。
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