2011年12月02日(金) 18:00
先週2400mの「ジャパンC」が行われ、先々週は1600mの「マイルチャンピオンシップ」がメインだった。したがって、今週の1800mのGIII「鳴尾記念」と、3600mのGII「ステイヤーズS」は、GIとまったく別区分の距離というわけでもないから、ちょっと微妙な組み合わせになる。
両レースともに、この時期だから「3歳馬(4歳馬)」が主役を努めるとほぼ順当な結果がもたらされるが、ベテランが渋く台頭するようだと波乱が多いのがパターン。
ステイヤーズSは、最近10年の連対馬20頭のうち過半数を占める「3〜4歳馬」が、今年は16頭のうちたった5頭しかいない。中には菊花賞を制した4歳ビッグウィークと、そのとき3着だったビートブラックがいるが、ジャパンCではなくここに出走しているくらいだから、その後の成績と評価は推して知るべし。信頼性は低い。
天皇賞(春)を、1着→2着→6着の8歳馬マイネルキッツを狙いたい。天皇賞(春)の成績が示す通り、全盛期のパンチもパワーも衰えつつあるのは否定できないが、今回は6着にとどまった春の天皇賞当時よりむしろデキはいいように思える。ここ3週連続して軽快に動いている。少し渋ってことのほかタフなスタミナが問われそうな一戦。得意の地元の中山で、どこからでも動ける自在性を生かして好勝負だろう。
相手筆頭は、5歳フォゲッタブル。一昨年の勝ち時計「3分51秒3」が物語るように決してステイヤーとしてレベルが高いわけではないが、時計のかかりそうなコンディション、ウィリアムズ騎手、中間の動きの良さ、絶好調の厩舎の勢い…。ここなら勝ち負け必至と思える。例年のパターン通り、3〜4歳馬ではなくベテラン組が渋く巻き返すと好配当が期待できる。こちらは5歳以上馬を中心としたい。
一方、鳴尾記念はこの時期と距離1800mを考えれば、当然のように若い「3〜4歳馬」向き。人気の3歳サダムパテックは、明らかに距離が長いと思えた菊花賞でも、正攻法のレースを展開しながら「3分03秒8」。長距離戦こそ、「そのレベルは時計に如実に出る」ことを考慮すれば、オルフェーヴルには完敗の1秒0差とはいえ立派なものである。前年、ビッグウィークの菊花賞の勝ち時計は「3分06秒1」だった。
馬場状態は気になるが、稍重程度に回復してくれれば、56kgでこの相手。勝機NO.1だろう。渋り気味の馬場を考慮して、ダノンスパシーバ、好調カリバーン、ヒットジャポット本線。そのあとに3歳馬を押さえる。
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柏木集保
1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。