2014年07月25日(金) 18:00
その前回は6ヶ月の休み明け。入念には乗っていたものの、美浦に入ってからの速い時計は少なかった。ところが、直前輸送があったとはいえ、シーブリーズライフの当日の馬体重は、休み前の1月の中山よりマイナス18キロの446キロ。夏になって余裕残りの冬の体が絞れたのと、直前輸送を考慮しても、数字だけならバッターアウトに近い。
ところが、細くは映らず、レースでも飛ばして1分07秒7(33秒4-34秒3)で逃げ切った快速シゲルカガ(父パイロ)をゴール前ではクビ差まで追い詰める好内容だった。これで2歳夏のデビューからの合計4回の連対はすべて馬体重「440キロ台」。これが理想体重に近かったのである。美浦に帰って10日後には早くも半マイル52秒6で軽快に動き、今週は休み明けの前走時よりはるかに意欲的な5ハロン67秒台で動いた。鋭さも十分。
減っていた反動や疲れが出るどころか、今回のほうがずっと動きはいい。直前輸送があっても、今回は少し馬体重が増えているのではないか、と思える。
タイキシャトル(1998年の最優秀短距離馬であると同時に年度代表馬)産駒の母プレシャスライフは、高松宮記念などを制し2003年の最優秀古馬牝馬に輝いた快速ビリーヴ(父サンデーサイレンス)のいとこ。
名牝ブエナビスタの4分の3同血の兄になる父アドマイヤジャパン(父サンデーサイレンス)は、早くに引退したのとディープインパクトの同期(最初はライバルだった)とあって、同じ年に種牡馬として出発しながら、いまは一般には無名にも近い存在になりかけているが、血統背景は現在の日本ではピカ一であり、代表産駒の1頭に出世しようとするシーブリーズライフには、へイローの[3×4]、カーリアンの[3×4]など、現代の主流血脈の教科書のような色彩とクロスが生じている。
現時点では1度1000万条件に格下がりしているが、1分07秒台で乗り切ったのを契機に、ここはきっちり勝って1600万条件に盛り返したい。ビリーヴの一族らしい成長力も示してオープンに出世できそうな展望も広げたい。
芝は多少ともタフなコンディションになりつつあるが、良馬場が望めそうな点は有利。牝馬で55キロは事実上のトップハンデだが、有利不利以前に、ここは相手が強くないことを示している。シーブリーズライフ自身は前回と同じ負坦重量である。
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柏木集保
1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。
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