2019年02月09日(土) 12:00
レースの選択肢が広がっていることを痛感する。それだけ馬を仕上げる技術が進化しているからだが、そこをどう捉えるかも今の競馬を見る上で大きな要素になってきた。特に春のクラシックを前にしたステップにどのレースを選ぶか、そこに注目していきたい。
2歳チャンピオンのアドマイヤマーズが共同通信杯でどんな結果を出すか。ここまでマイル戦だけで4戦4勝、スタートがよくスピードのあるこの馬が、1800米を走る意味は大きい。ペースの上がらない東京のこの距離を、どう走るのか。
これまでは前に行っても折り合いを欠くことはなかったが、距離が伸びての走りになると、相応の進化が見られないと駄目だ。パートナーのM.デムーロ騎手は、体が大きくなって成長を感じたと、けいこをつけたあと言っていた。
いつも通り回ってくれば結果はついてくると思うと友道調教師は言っているが、当面の目標となる皐月賞は当然として、その先のNHKマイルCかダービーかになると、同じ東京だけに今回のレースが大きな意味を持つ。
2歳チャンピオンの共同通信杯出走となると、最近ではナリタブライアン、フサイチリシャールがあったが、いずれもが1800米の勝利があった馬たちだった。それでブライアンが1着、リシャールが2着とどちらも成果を上げていたが、やはりブライアンのパワーが上で、その後の成績に表れていた。
朝日杯FSの優勝馬の多くがスプリングS、稀に弥生賞に向かう中での共同通信杯選択には、来年以降のクラシック戦線にも少なからず影響がありそうだ。アドマイヤマーズの今後をしっかり見ていきたい。
また、阪神JFの2着馬クロノジェネシスが、桜花賞へのステップにチューリップ賞でなく東京のクイーンCを選んだのにも興味がわく。阪神の外回りコースより直線の長い、しかも左回りの府中を経験させる意味は、当然オークスを意識してのことだが、このあとの2冠でどんな結果につながるか注目したい。この2つのケースはGIまでの間隔を空けるという意味もあり、成長を促すにはいいことかもしれない。
常識は時代とともに変化するもの、よく目配りして一方に偏らないこと。チャレンジャーにはいつもこの心構えがある。
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長岡一也
ラジオたんぱアナウンサー時代は、日本ダービーの実況を16年間担当。また、プロ野球実況中継などスポーツアナとして従事。熱狂的な阪神タイガースファンとしても知られる。
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