2020年08月08日(土) 12:00
ここ3年、波乱が際立つレパードS。2つ目の3歳馬によるダート重賞で、キャリアが浅く混戦模様も当然と言えば当然と言える。連対馬6頭のうち4頭が10番人気以下、どうやって見つけたらいいのか。葉っぱの脇にかくれて咲いている鳳仙花(ほうせんか)の花を捜すに似ている。強い夏の光を浴びながらも不思議にみずみずしさを失わず、赤、ピンク、紫、白と楽しませてくれる。どの茎にも2、3輪は咲かせるが、一様に全部が見えるわけではない。かくれたところに咲いた花を見つける楽しさがあるのだ。
ここ3年上位を占めた伏兵を検証してみるのも一興で価値がある。昨年は、10番人気で白毛のハヤヤッコが勝ったが、5月の青竜Sではスタートの芝でモタつき流れに乗れず8着に終っていた。それから3ヶ月のリフレッシュ期間を取り、レパードSではいつもの先行策ではなく後方に構え、無理に動かずに直線クビ差し切っていた。例年になくペースが速かったのが味方してもいた。年明けのダート戦で2、2、1着と走っていて、中山ダート1800米の勝利があったことを強調したい。
2年前、10番人気で2着に入ったヒラボクラターシュは、これも中山ダート1800米での勝ちがあり、前走は中京のダート1800米で4着、レパードSでは、逃げたグリムに差しかえされてクビ差の惜敗だった。
そして3年前は、1着が11番人気のローズプリンスダム、2着が12番人気サルサディオーネだった。前者は京都のダート1800米の勝ちがあり、後者は中京ダート1800米で初勝利、ダート3戦目で2勝目と得意の距離だった。
人気は、表街道のJDダービー、ユニコーンS組に集まるので、伏兵はそこで大敗したもの、下の条件で地道に力をつけてきたものということになる。たまたまこの3年は、葉っぱの脇にかくれていた花がみずみずしい姿を見せたのだった。
今年はJDダービーからは5着に終ったミヤジコクオウ一頭だけの参戦で混戦模様だが、京都のリステッド競走ダート1800米で速いペースを速めに抜け出して勝っていた。大井でダメでも新潟では別というのがこのレース。半兄エスポワールシチーに近づくのはこれからと期待してみたい。
血統なら別に、父ディープインパクト、母アパパネのラインベックが見逃せない。速い脚がないからと前走、初めて阪神のダート1800米に出走し逃げ切っている。ダートは合いそうで、今回もレース主導権を握ればこれを見て走るものの中に伏兵は潜んでいる。左回りが走り慣れているデュードヴァンはともかく、早目に仕掛けて長く脚を使えるバンクオブクラウズ、前走激しい流れを押し切ったライトウォーリアを秘かに。
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長岡一也
ラジオたんぱアナウンサー時代は、日本ダービーの実況を16年間担当。また、プロ野球実況中継などスポーツアナとして従事。熱狂的な阪神タイガースファンとしても知られる。
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