アプリ限定 2023年06月28日(水) 18:01
▲松浦裕之調教師(左)と吉井章騎手(右)による師弟対談(C)netkeiba.com
史上初の試みとなったJRAと地方競馬ジョッキーの“期間限定トレード”。古川奈穂騎手(JRA)、吉井章騎手(大井)ともに調教研修を終えたいま、師匠はその成果をどう感じているのでしょうか。
今回のコラムでは栗東トレセンで2週間の調教騎乗を経験した吉井騎手と、師匠である松浦裕之調教師の対談を実施。「坂路では脚元に負担をかけず、心臓も作れると感じた」という施設面での実感から、「今年中にもう1回やりたい」というさらなる発展まで、師弟対談でじっくりお話いただきました。
(取材・構成=大恵陽子)
──まずは吉井章騎手が松浦裕之厩舎に所属した経緯を教えてください。
松浦 吉井のお父さん(吉井竜一調教師)と私はほぼ同時期に騎手になって、ずっと仲良く一緒にやってきました。「うちの息子がジョッキーになりたいと言っているんだよな」と聞いて、「私が(所属厩舎として)引き受けるよ」と答えたのが始まりです。
吉井 その時、僕は右も左も分からない頃で、勧められるがままでした。先生とは中学2年生の時に調教師や騎手が集まる野球大会の時に一度お会いして以来でした。
──吉井騎手がデビューした頃、松浦調教師から「章ちゃん」と呼ばれていると聞いていたので、小さな頃から知っているのかと思っていました。
松浦 初めて会ったのはその野球大会でしたけど、子供みたいな感じで可愛いです。彼は物怖じをしなくて、若くして度胸がいいです。レースで負けて悔しい時はそういう表情を、勝った時は嬉しそうにしていて、勝負に対して感情表現がしっかりしているところはいいなと思います。一方で、粗削りなところが課題で、それはたくさん乗らなければ分からないだろうなと感じていました。
──今回の期間限定トレードについて、吉井騎手は初めて聞いた時、どう思いましたか?
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矢作芳人/松浦裕之
矢作芳人 1961年3月20日、東京都生まれ。父は大井競馬の元調教師矢作和人。オーストラリアでの修行後、厩務員、調教助手を経て2005年に厩舎を開業。2010年に朝日杯FSをグランプリボスで制しGI初制覇。2020年にコントレイルで牡馬三冠、2021年にはブリーダーズカップで管理馬2頭(ラヴズオンリーユーとマルシュロレーヌ)が勝利するという快挙を成し遂げた。 松浦裕之 1971年10月22日、東京都生まれ。父は大井競馬の元調教師松浦備。1993年に騎手としてデビュー後、2006年に調教師へ転身。2007年に東京記念をウエノマルクンで制し、重賞初制覇。2022年にはキャリアハイタイとなる年間36勝を記録した。
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