JRA初挑戦!別府真衣2014年の飛躍

2014年03月11日(火) 18:00

別府真衣騎手(左から二番目)

左から二番目:別府真衣騎手、真ん中:クロスオーバーの酒井孝敏オーナー、右端:別府真司調教師


◆別府真衣騎手「大きな目標は、(宮下)瞳さんの記録を抜くことです!」

赤見:初めてのJRA挑戦(3月8日チューリップ賞:クロスオーバー12着)を終えて、どんな気持ちですか?

別府:すっごい楽しかったです。自分が思ってたより緊張することなく、リラックスして乗れたので良かったです。

赤見:スタートして、けっこう追って先行してましたね。

別府:ゲートを出て、「行けー」と思いながら追いました。もしかしたら最初で最後かもしれないので、思い切って行けるところまで行ってみようと思って。どこまで持ってくれるかなと思いながら、馬は芝が初めてだったし、どういう競馬をしてくれるかなと。3コーナーではまだ大丈夫だなと思ったんですけど、4コーナーではブワーっと交わされてしまいました。芝がフワフワしてて、マカオとはまた違った感じで、乗ってて気持ち良かったです。

赤見:初めての経験ばかりで、緊張しなかったですか?

別府:調整ルームではよく眠れましたし、たくさん知ってるジョッキーも声かけてくれたので、リラックス出来ました。川田騎手とか、武豊騎手とか。化粧濃いんちゃうかって言われました(笑)。ちょっと中央仕様にして来たので(笑)。

赤見:初めてのJRA挑戦、しかも重賞!すごいチャレンジでしたね。

別府:高知には認定競走もないし、JRAに来る機会はなかなかないので。デビュー当時は行ってみたいなっていう気持ちはありましたけど、実際にはなかなかチャンスがないってことがわかって、諦めもありつつ、行けたらいいなと。騎乗が決まった時には信じられない気持ちでした。オーナーにもそうですし、クロスオーバーにも感謝してます。

赤見:パドックではものすごい声援でしたね。

チューリップ賞でのパドック

ものすごい声援だったチューリップ賞のパドック

別府:本当にたくさんの方に声を掛けていただいて…。パドックに出て、お客さんの数にひっくり返りそうになりました(笑)。わたしがこうやって来れたことで、高知競馬のアピールにもなったと思うので、少しでも高知競馬に興味を持ってもらえたら嬉しいです。

赤見:昨年はNARグランプリ優秀女性騎手賞も受賞しましたね。

別府:3年ぶりに受賞出来て、今回の受賞はすごく嬉しかったです。成績的には、自分はあんまり納得いってないんですけど、評価していただけたことは嬉しいですね。

赤見:納得していないというのは、どの辺りですか?

別府:やっぱり、目標の年間60勝が出来なかったことです。韓国に行ってから、ちょっとリズムが乱れたというか、日本とは競馬が全然違うので、元のリズムに戻るのにけっこう時間が掛かりました。苦しい時期がずっとあって、去年もまだそれが尾を引いていたんですけど、関係者のみなさんのお蔭でたくさんの馬たちに乗せてもらえて、とても感謝しています。海外に挑戦したのは、日本にいてもそうなんですけど、違う環境の中で過ごすことで、精神的な成長がしたいなと思ったんです。自分自身では、以前よりは少しは強くなったかなと思いますね。

赤見:お父さんである、別府真司先生の存在はどうですか?別府騎手のお手馬がダートグレードに出走しても、ほとんど乗せてくれませんよね。

別府:そうですね。それはデビューした時からずっとそうです。父親が調教師で、競馬場で育ったので、すごくいい環境だと思います。周りからもそういう風に見えると思いますし、そのことには感謝しています。でもそういう環境の中で、別府先生は厳しく接してくれるので有難いですね。今はもう「調教師の娘だから」って言う風には言われなくなりました。最近はどんどんシビアになって来て、ちょっと失敗したら次は乗せてもらえないので。当たり前ですけど、甘くないです。もっと危機感持って、全部獲れるところは獲って行かないと。

NARグランプリ授賞式での別府真衣騎手

NARグランプリ授賞式での別府真衣騎手

赤見:結果を出し続けてるのに、常に危機感を持ってますよね。

別府:危機感は持ちますね、やっぱり。(下村)瑠衣とかもすごい頑張ってて、去年は重賞も勝って。あの時はわたし2着でやられたし(苦笑)。でもこうやって女性ジョッキーが盛り上がるのは嬉しいですね。みんなが頑張って注目されて来ると、わたし自身のモチベーションも上がって来るので。

赤見:今のお話にもありましたけど、昨年は下村瑠衣騎手が高知に移籍して、年間40勝の活躍に重賞制覇、さらに名古屋でデビューした木之前葵騎手も23勝と、若手の活躍が目立ちましたね!

別府:本当にそうですね。途中までは瑠衣と勝ち鞍が一緒だったし、重賞も勝てなかったので、優秀女性騎手賞は獲れないかなと思っていたんです。だから、受賞を聞いた時には余計に嬉しかったですね。名古屋も葵ちゃんの活躍でだいぶ盛り上がってるみたいだし、若手の女の子がけっこう勢いあるので、もっと頑張らないとという気持ちです。いい刺激を受けてますね。高知の中で上を目指すという気持ちはもちろんですけど、全国にいる女性ジョッキーたちにも負けたくないですから。去年はなんとか良かったですけど、今年は本当に気合を入れないとマズイかなと思ってます。

赤見:今は女性ジョッキーの中で、先頭で引っ張って行く存在になりましたね。

別府:年もね(笑)。もう9年目ですから。ここまであっという間でした。一番下だったのに、いつの間にか下の子ばっかりになっちゃいましたね(笑)。振り返ったら早いです。まぁでも、最近になってちょっとずつ、馬のことが分かって来たのかなって思うんです。なんか、この馬ってこういう馬なんだっていうのが、前は勢いだけで乗ってた部分があったんですけど、今はもうちょっと馬のことを考えて乗れるようになったのかなって。

赤見:何かキッカケがあったんですか?

別府:具体的にこれっていうのはないんですけど、やっぱり年数が経って来て、色んな馬乗って、数乗ったことによって、色んな馬に教えてもらったんだなって思います。たくさんの馬との出会いがあっての今の自分なんで、馬たちには本当に感謝してます。まぁなんだかんだ言っても、今でも馬たちに助けてもらってるんですけど。

赤見:今年はもう重賞も勝って、さらに初のJRA挑戦。飛躍は続きますね。

別府:とりあえず重賞を勝ちたいって思っていたので、勝てて良かったです(2月16日だるま夕日賞をトーホウカイザーで制覇)。その馬で黒船賞(3月18日)に乗れるので、すごく楽しみです。一度も黒船賞には乗ったことがなかったので、騎乗出来ることが嬉しいですね。

赤見:では、今後の目標は?

別府:今年中にもう一つ重賞を勝ちたいです。去年は年間60勝まであと3つだったんで、年間60勝はしたいですね。他の女性騎手にも負けないように、1位で終われるようにしたいです。あと、大きな目標は、(宮下)瞳さんの記録を抜くことです!騎手になった時から、瞳さんはすごく大きな存在で、目標だったので。やっとその記録(日韓合わせて682勝)が見えて来たのかなと思ってます。

別府真衣騎手(チューリップ賞のレース後)

別府真衣騎手「大きな目標は、(宮下)瞳さんの記録を抜くことです!」(写真はチューリップ賞のレース後)

赤見:では、プライベートな目標は?

別府:プライベートですか?それはもう…そろそろ婚活しないと(笑)。いい人に出会えたらいいなと思ってます。

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常石勝義

常石勝義
1977年8月2日生まれ、大阪府出身。96年3月にJRAで騎手デビュー。「花の12期生」福永祐一、和田竜二らが同期。同月10日タニノレセプションで初勝利を挙げ、デビュー5か月で12勝をマーク。しかし同年8月の落馬事故で意識不明に。その後奇跡的な回復で復帰し、03年には中山GJでGI制覇(ビッグテースト)。 04年8月28日の豊国JS(小倉)で再び落馬。復帰を目指してリハビリを行っていたが、07年2月28日付で引退。現在は栗東トレセンを中心に取材活動を行っているほか、えふえむ草津(785MHz)の『常石勝義のお馬塾』(毎週金曜日17:30〜)に出演中。

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