2015年02月20日(金) 18:00
思うに、こういう距離を待っているステイヤータイプが少なくなり、イキのいい若い上がり馬の挑戦も少ない(今年もまた、4歳馬は1頭だけ)。ほぼ能力の判明している6歳以上馬が多いから(今年は11頭)、そうは波乱にならないのだろう。
昨年は、2200mまでの経験しかなく、長丁場に死角も大きかったが、スタートで出負けし前半は流れに乗れず少し離れた最後方追走。それが、2周目の3コーナーから強引に進出して上がりNo.1の「35秒8」。相手に恵まれたのはたしかだが、あの強引な内容での好時計勝ちは、豊かなスタミナを示す素晴らしい内容だった。
あのあと、定量58キロの天皇賞・春でも、フェノーメノ、ウインバリアシオンとは「0秒4差」、4着のキズナとは「0秒3」差の6着(11番人気)に押し上げているから、中距離型だった半兄バランスオブゲーム(父フサイチコンコルド)とは異なり、スタミナ色が前面に出ているのである。
父はハーツクライ。母の父はリボー系のアレミロード。祖母ベルベットサッシュ(父ディクタス)は、種牡馬となって多くの長距離型を送ったサッカーボーイの全妹。ベルベットサッシュは、ステイゴールドの母ゴールデンサッシュの全姉でもあり、距離延長に不安のない一族のなかでも、字面通りの長距離タイプなのだろう。
58キロは天皇賞・春でも、距離不足ながら0秒8差に食い込んだ宝塚記念でも経験し、かつ、こなしている。東京の長丁場のハンデ戦を、トップハンデの、人気の中心馬から入るのはひどい筋悪の危険もあるが、軽量馬に魅力のある馬がいないから仕方がない。
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柏木集保
1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。
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