2015年03月07日(土) 12:00
「なんでこのレースにそれほど“イレ込む”の」? 実は私もそう思ったんですけど、改めて重賞日程を眺めてみたら妙に納得しました。土曜日に行われるクラシックのトライアル重賞は、このレースとテレビ東京杯青葉賞だけ。「ウイニング競馬」にとっては、価値あるレースなのです。
去年はハープスターという注目度抜群の馬がいましたが、今年はショウナンアデラとルージュバックの“ツートップ”(?)が不在。それでも、同レース史上最多の17頭が出走してきました。先週のアーリントンCのような大激戦が繰り広げられそうです。
一方、弥生賞は豪華メンバー。11頭のうち重賞勝ち馬が7頭もいます。過去の出馬表をすべて調べたわけではありませんが、弥生賞にこれだけの数の重賞優勝馬が出走するのは初めてだと思われます。
今年の3歳牡馬を賞金順(出走権に関わる金額順)に見ると、すでに1900万円以上を収得している馬が21頭もいます。仮に今、そのすべてが皐月賞への出走を登録したら、3頭は除外対象になってしまうわけです。
もちろん、その中には皐月賞を回避してマイル戦線に向かう馬がいるはずですし、今後のトライアルレースや重賞、OP特別などで出走権を確保したり、賞金を積み重ねたりする馬も現れます。そういう入れ替わりがあるので、皐月賞の出走メンバーが固まるのはまだまだ先の話。とはいえ、ひょとしたら重賞勝ちの実績があるのに除外対象になってしまう馬が出てきてもおかしくない状況と考えられるのです。
つまり、弥生賞に出走する重賞タイトル保持馬の中にも、「ここは本番へ向けての脚慣らし」なんて悠長に構えていられる立場じゃない馬がいるということ。1900万円のブライトエンブレムや2000万円のクラリティスカイ、サトノクラウンは、とりあえず3着以内に入っておかないと安心できないのではありませんか?
ちなみに、過去20年の弥生賞で1〜3着を重賞勝ち馬が独占した例はありません。2004年にラジオたんぱ杯のコスモバルクが優勝、小倉2歳Sとデイリー杯2歳Sのメイショウボーラーが2着、いちょうSのメテオバーストが3着ということがあったものの、当時のいちょうSはOP特別でしたからね。
まぁ、今年ほど重賞勝ち馬が大挙して出走した弥生賞はなかったわけで、今回は1〜3着独占があっても不思議ではないでしょう。だとしても4頭は4着以下に負けちゃうんです。こんな厳しい弥生賞は前代未聞(?)。これは、歴史に残る一戦になると思います。
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矢野吉彦
テレビ東京「ウイニング競馬」の実況を担当するフリーアナウンサー。中央だけでなく、地方、ばんえい、さらに海外にも精通する競馬通。著書には「矢野吉彦の世界競馬案内」など。
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