カシノエイシを知ることで始まるドラマがある/吉田竜作マル秘週報

2015年05月13日(水) 18:00


◆カシノエイシのファーストインプレッションは普通に見て立派に感じる馬だった

 年を重ねることが怖くなる年頃…と書くと「思春期の童貞じゃあるまいし」と言われそうだが、40を超したあたりから「もう誕生日はいらん」と思う気持ちが強くなってきた。これって記者だけではない、ですよね?

 そんなこじれた中年のハートを癒やしてくれるのは、やはりPOGだ。勝った、負けたの話ではない。DNAをつないでいくことに心血を注ぐ人たちの熱い思いに触れることで「年を重ねるのも悪くないかな」と思わせてくれるからだ。

 8日にゲート試験を突破した馬の中にカシノエイシ(牡=父エンパイアメーカー、母カシノエスケイプ・日吉)の名があった。関東圏ではなじみがないかもしれないが、栗東の梅内厩舎に所属していた母カシノエスケイプは関西圏のダートを中心に走り、準オープンまで出世。主戦を務めたのはその梅内厩舎でデビューしたばかりの大下(現在は藤岡厩舎に所属)だった。

 いわゆる“あんちゃん”を乗せ続けるのはどこの厩舎でも簡単なことではない。オーナーからすれば子供のように大切な愛馬。そこに未熟な騎手を乗せるとなれば、「勘弁してくれ」との声が出るのも当然。梅内元調教師も現役時代、「(大下)智を乗せるにはいろいろ苦労があるんだよ」と何度となくこぼしたくらいだ。

 それでも馬と人というのは不思議なもので、そのうち「智じゃなきゃ走らん」となったりするもの。実際・・・

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