素晴らしい活躍の4歳牡馬陣/大阪杯

2016年04月04日(月) 18:00


今年だけで合計「7重賞」

 3月のドバイで好走したリアルスティール(ドバイターフ1着)、ドゥラメンテ(シーマクラシック2着)に呼応するように、4歳牡馬アンビシャス、キタサンブラックが快走した。

 現4歳牡馬陣の活躍は素晴らしいものがあり、古馬の中〜長距離路線では、今年に入ってからだけでも、ヤマカツエース(中山金杯)、レーヴミストラル(日経新春杯)、サトノクラウン(京都記念)、アルバートドック(小倉大賞典)、ドゥラメンテ(中山記念)、シュヴァルグラン(阪神大賞典)が勝ち、そして今回のアンビシャス(大阪杯)である。合計「7重賞」を制している。

 牝馬限定戦はべつに、5歳以上馬の古馬中〜長距離重賞の重賞の勝利数は合計して「4つ」にとどまっているから、ドゥラメンテが代表する4歳牡馬陣の層は厚い。

 この世代、ふつうは「もっとも強くなるのは充実の4歳秋」の定説があるくらいだから、これからさらにパワーアップし、勢力図の上位に台頭してくる新星も加わるはずである。

 スローの流れが予測された2000m、ほかが何も行かないのを確認して、武豊騎手のキタサンブラック(父ブラックタイド)が主導権をにぎった。こういうレースの主導権の取り方は、ふだん使われる「逃げ」という形容はほとんどふさわしくない。べつに格下馬が夢中で逃げまわっているわけではない。自分で主導権をにぎり、先頭に立ってレースを作ったのである。

 みんなスローになるのは分かっていた。ベテラン横山典弘騎手のアンビシャス(父ディープインパクト)が、考えた作戦というより、ごく当然のように2番手につけた。スタート直後は馬群から少し離れてわざと外を進み、行きたがる気性に「ムキにならなくてもいい」と納得させたあと、キタサンブラックのペースに合わせて2番手につけた。追い込み一手のカンパニーで先行して中山記念を連勝し、やがて8歳時のG1連勝に結びつけたときもこんな方向転換だった。

 レースの流れは、前半「36秒8-48秒9-61秒1-」。GIホースが5頭もそろった阪神内回り2000mとしては、明らかに緩いペースである。各馬あまり離れることはなく、一団にも近い形で流れると予測した人びとが大半だったろう。まして、気分良く先頭に立ってレースをリードしているのは武豊騎手であり、2番手で折り合って流れに乗っているのは、ペース判断というなら武豊騎手と双璧の横山典弘騎手。

 ところが、3番手以下はなかなか間合いを詰めるように接近して行かないのである・・・

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柏木集保

1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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