安田記念は「2度あることは3度ある」を期待して…

2016年06月04日(土) 12:00


「12頭立て以下の中央平地G1」のデータを見ると

「こんな穴馬いかがでしょう?」をテーマに春のG1・6連チャンに挑み続けてきた私。結局“鳴かず飛ばず”というか“泣きっぱなし”のまま、安田記念を迎えてしまいました。

 とにかくここまでの5戦は堅かったですから。天皇賞・春で1番人気馬(ゴールドアクター)が12着に敗れたものの、東京の4戦はすべて1、2番人気馬が揃って3着以内を確保。2ケタ人気馬が馬券に絡んだのはNHKマイルCのレインボーライン(3着)だけでした。先週のダービーも3→2→1番人気の順で決まり、当たったのはいいけど“トリガミ”(馬券の収支は赤字)というボヤキをあちこちで聞きましたしね(ハズレた私よりマシ?)。

 で、今週は6戦目の安田記念。過去10年の1〜3着馬30頭のうち8頭が2ケタ人気馬で、8、9番人気馬も5頭が馬券に絡んでいます。つまり、馬券対象になった馬の3分の1以上が8番人気以下の人気薄馬だった、ということ。穴党ファンがニンマリする“ソコソコ荒れるレース”なのですが、今年はわずか12頭立ての少頭数になっちゃいました。

 18頭立てだったら出走馬のうちの半分が9番人気以下なのに、今回はそういう馬が3分の1しかいないわけです。それだけ穴が出にくいレースになったと言っていいでしょう。

 ちなみに、2001年以降、12頭立て以下の中央平地G1は、下記の10レースしかありませんでした(取消、除外でそうなったケースを除く)。これはある意味、貴重なレースなのです。

年  レース 頭数 優勝馬 1〜3着馬の人気
01年 天皇賞・春 12頭 テイエムオペラオー 1、3、2
   宝塚記念 12頭 メイショウドトウ 2、1、8
   スプリンターズS 12頭 トロットスター 4、3、2
02年 天皇賞・春 11頭 マンハッタンカフェ 2、3、1
   宝塚記念 12頭 ダンツフレーム 1、4、3
   スプリンターズS 11頭 ビリーヴ 1、3、2
03年 有馬記念 12頭 シンボリクリスエス 1、4、3
06年 ジャパンC 11頭 ディープインパクト 1、5、3
13年 宝塚記念 11頭 ゴールドシップ 2、5、1
14年 宝塚記念 12頭 ゴールドシップ 1、9、8

 ご覧のように、1番人気馬は6勝していて、馬券に絡まなかったのは2回だけ。1〜5番人気馬のうちの3頭による決着が8回もあります。

 また、G1昇格後の安田記念で12頭立て以下というのは1986、88年に次いで今回が28年ぶり3回目。過去2回は1→6→3、1→2→9番人気の順で収まっていました。

 そういうデータから言っても、今回はモーリスで堅いでしょう。ただし、この春の古馬G1は、過去の同じレースで馬券に絡んだ馬が穴を開けています(天皇賞・春3着のカレンミロティック、ヴィクトリアマイル優勝のストレイトガール)。「2度あることは3度ある」を期待して、クラレントかダノンシャークに頑張ってもらいましょうか。

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矢野吉彦

テレビ東京「ウイニング競馬」の実況を担当するフリーアナウンサー。中央だけでなく、地方、ばんえい、さらに海外にも精通する競馬通。著書には「矢野吉彦の世界競馬案内」など。

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