恵まれたとかではなく文句なしの実力勝ち/宝塚記念

2016年06月27日(月) 18:00


やっと完成期に達しまだ強くなるだろう

 懸命に粘るキタサンブラック(父ブラックタイド)を交わし、猛然と追い込んだドゥラメンテ(父キングカメハメハ)を封じたのは、5歳牝馬マリアライト(父ディープインパクト)だった。昨秋のエリザベス女王杯2200mを勝ったときが、やっぱりタフなコンディションの稍重。今回も、厳しい流れで多くの馬が後半失速したタフな「稍重」。馬場のいいところを通ったというより、阪神の内回り2200mをずっと外々と回り、さらには蛯名正義騎手の大きなアクションに応えての差し切り勝ちだから素晴らしい。  倒した相手は2冠馬ドゥラメンテ、同じくビッグレース2冠のキタサンブラック、昨年の勝ち馬で古馬GI・2勝のラブリーデイ(父キングカメハメハ)。馬場や展開に恵まれたとかではない。定量56キロで、近年の選手権距離の2200m。文句なしの実力勝ちである。それにしてもタフでパワフルな牝馬がいたもので、成長してやっと430キロ台の小柄馬ながら、切れるディープインパクト産駒というより、力を要する馬場のほうがいいあたりは、母の父エルコンドルパサーの良さも前面に出している。

 現6歳の兄クリソライト(父ゴールドアリュール)は、2013年のジャパンダートダービーなど7勝し、今週29日の帝王賞(大井2000m)に出走する。弟の4歳リアファル(父ゼンノロブロイ)は神戸新聞杯など4勝。キタサンブラックが勝った菊花賞で3着だった。

 母クリソプレーズ(父エルコンドルパサー)は3勝馬。その全弟には・・・

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柏木集保

1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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