スプリングSはマイル以下を主戦場としてきた馬が不振

2019年03月16日(土) 20:00

 キャリーオーバーに沸いた前回3月10日のWIN5は、最終的な発売金額が23億288万4800円まで伸びました。キャリーオーバーが4億6498万5570円でしたから、期待値は90.2%だったことになります。ちなみに、昨年12月28日は発売金額が34億9934万2200円、キャリーオーバーが5億9980万2210円で、期待値は87.1%。2014年くらいまでは期待値100%以上の回もあったのですが、近年は発売金額の低下やキャリーオーバーの減少(=貴重なキャリーオーバー回に対する注目度のアップ)といった事情もありますから、期待値が90%前後となる水準までは売れてしまうと考えるべきなのでしょう。

 なお、その前回3月10日は4レース目のフィリーズR(阪神11R)でノーワンとプールヴィルの2頭が1着同着。2通りの組番が的中となったのは2012年12月9日、2018年5月27日に続いて3度目です。レアリティの高い出来事が同時に発生した分、普段はWIN5を買わない方にとっても、印象深い回になったかもしれません。

 明日3月17日のWIN5は総出走頭数が69頭、総組み合わせ数が47万5904通り(土曜16時現在)。総組み合わせ数は決して多くないものの、1〜2レース目がハンデキャップ競走ということもあり、やや難解な印象を受けている方が多いのではないかと思います。

◆阪神大賞典は長距離向きの実績馬を素直に重視したい

 1レース目は4歳以上1600万下、ハンデキャップ競走の但馬S(阪神10R)。戦績に安定感のあるモーヴサファイアあたりが注目を集めるでしょう。

 2レース目は4歳以上オープン、ハンデキャップ競走の千葉S(中山10R)。4歳のクイーンズテソーロらが上位人気グループを形成しそうです。

 3レース目は4歳以上1000万下の小牧特別(中京11R)。比較の難しいメンバー構成で、上位人気勢の支持はやや割れるかもしれません。

 4レース目は4歳以上GIIの阪神大賞典(阪神11R)。土曜16時の時点ではシャケトラの人気が抜けており、リッジマンが続いていました。

 5レース目は3歳GIIのスプリングS(中山11R)。こちらは土曜16時の時点だとヒシイグアス、ファンタジスト、ロジャーバローズあたりに支持が集まっています。

[伊吹式WIN5ランキング 2019年03月17日版]

1位 阪神11R 10.シャケトラ
2位 中山11R 8.ヒシイグアス
3位 中京11R 12.アロハリリー
4位 阪神10R 6.モーヴサファイア
5位 中山10R 12.エポック
【以上すべての馬を買うと1点買い】

6位 中山10R 16.ウインオスカー
7位 中山10R 11.ブルミラコロ
8位 阪神10R 10.アルメリアブルーム
9位 中京11R 11.アーデルワイゼ
【以上すべての馬を買うと12点買い】

10位 中山11R 15.ロジャーバローズ
11位 阪神11R 2.リッジマン
12位 中山10R 15.シュウジ
13位 阪神10R 2.フランツ
14位 中京11R 7.スヴァルナ
【以上すべての馬を買うと144点買い】

15位 中山11R 12.タガノディアマンテ
16位 阪神11R 7.カフジプリンス
17位 中山10R 2.タテヤマ
18位 中山10R 4.クイーンズテソーロ
19位 阪神10R 7.マイネルファンロン
20位 阪神10R 9.ミスディレクション
21位 阪神10R 8.シャルルマーニュ
22位 中京11R 1.ウインガナドル
【以上すべての馬を買うと1296点買い】

23位 中京11R 8.サーレンブラント
24位 中山11R 2.クリノガウディー
25位 中山11R 1.ファンタジスト
26位 阪神11R 6.ソールインパクト
【以上すべての馬を買うと3600点買い】

 4レース目の阪神大賞典(阪神11R)は長距離の重賞における実績がポイント。「“JRA、かつ2200m以上、かつ重賞のレース”において3着以内となった経験のない馬」は2012年以降[0-0-0-21]ですから、評価を下げるべきでしょう。また「前走の着順が4着以下、かつ“前年以降、かつJRA、かつGIのレース”において11着以内となった経験のない馬」は2012年以降[0-0-1-27]。前走好走馬と前年にビッグレースを使っている馬が中心です。今年のメンバー構成ならシャケトラには逆らえません。

 5レース目のスプリングS(中山11R)は距離適性に注目したいレース。「“JRA、かつ芝1800〜2000m、かつ500万下から上のクラスのレース”において3着以内となった経験のない馬」は2012年以降[1-1-1-40]と人気を裏切りがちでした。なお「前走の着順が4着以下だった馬」も2012年以降[0-0-1-29]と連対例なし。基本的にサンデーサイレンス系種牡馬の産駒が強いレースですし、今年はヒシイグアスやロジャーバローズを重視すべきだと思います。

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伊吹雅也

競馬評論家。JRAの公式ホームページ内「今週の注目レース」にて“データ分析”のコーナーを、TCK(東京シティ競馬)の公式ホームページ内「分析レポート」にて重賞競走のデータ分析を担当しているほか、グリーンチャンネル、JRAのレーシングプログラム、『週刊アサヒ芸能』、『競馬王』などさまざまなメディアを舞台に活動している。主な著作に『WIN5攻略全書 回収率150%超!“ミスターWIN5”のマインドセット』、『コース別 本当に儲かる騎手大全』シリーズ、『コース別 本当に儲かる血統大全』シリーズ、『ウルトラ回収率』シリーズ(いずれもガイドワークス)など。

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