改めて問われる自律の精神

2020年07月11日(土) 12:00

「自分が感染しない」と「他人に感染させない」の両面に最大限の配慮

 きのう10日(金)から、イベント開催の規制が緩和されました。それに伴い、プロ野球では5000人を上限とした有観客試合を実施。スタンドにファンの姿が戻ってきました。

 競馬は、きょう11日(土)からばんえい帯広競馬が“開場”。明日12日(日)には盛岡競馬も入場可能になります。久々にナマの競馬が観戦できるようになるわけです。

 ばんえい競馬の公式サイトには「場内の混雑が予想される場合は、必要に応じ入場制限を行います」という文言がありました(岩手競馬のサイトには「入場制限」に関する記述なし)。しかし、帯広も盛岡も、失礼ながら常に大観衆で埋め尽くされるという競馬場ではありません。再オープンを待ちわびたファンがドッと競馬場に繰り出したとしても、その数が5000人(プロ野球が当面の上限にした人数)を超えることはまずないでしょう。

 それと、余計なお世話と言われてしまうかもしれませんが、今は遠方からわざわざ飛行機や新幹線に乗って、あるいはマイカーを使って現地に行く、というのは控えたほうがいいと思います。しばらくの間、有観客開催はあくまでも地元のファンを対象にしたもの、と考えましょう。

 それでも、どうしても競馬をナマ観戦したいという方は、主催者からのお願いを熟読した上、「自分が感染しない」と「他人に感染させない」の両面に最大限の配慮をしてお出かけくださるようお願いします。

 一方、場外発売所も徐々に開き始めました。ただし、一口に場外と言っても形態や名称はさまざま。JRAの馬券が買えるウインズ、J-PLACEをはじめ、地方競馬のハロンズ、Aiba、テレトラック、offt、ジョイホース、サンアール、DASH、パルス、トゥルー、BAOOなどなど、原稿の字数を稼ぐのに十分すぎるほどの(笑)多種多様な施設があります。当然ながら再オープンのスケジュールや当面の発売・払戻態勢もそれぞれに異なりますから、利用されるみなさんは公式サイトなどで必ずご確認ください。

 その中である意味“画期的”なのは、ごく一部に限られてはいるものの、ウインズとJ-PLACEでの発売が再開されること。メインレースだけの馬券発売で、場内ではオッズ情報やレース映像も提供しない、とのことですが、JRAの“紙馬券”の発売が行われるわけです。

 これについても、再度のお願いですが、わざわざ遠方から“記念馬券”を買いに行く、というようなことは控えるべきでしょうね。

 ご存知のように、このところ、東京では感染者数が増加の一途をたどり、それが周辺の県にも広がりつつあります。さらに、大阪などでも感染拡大の傾向が出始めました。

 とはいえ、今は緊急事態宣言を再発出する状況にはない、とのこと。自分の行動は自分で律するしかありません。競馬場や場外発売所にお出かけのみなさん、どうかくれぐれもご用心を!!

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矢野吉彦

テレビ東京「ウイニング競馬」の実況を担当するフリーアナウンサー。中央だけでなく、地方、ばんえい、さらに海外にも精通する競馬通。著書には「矢野吉彦の世界競馬案内」など。

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