2020年10月13日(火) 12:00
今週の秋華賞はデアリングタクトの三冠成るかが注目。実力については疑う余地が無いので、問題はローズSを使えずぶっつけ本番になったことだけだろう。
デアリングタクトは中20週での出走ということになるが、過去の類似事例ではどんな結果になっていただろうか。
もちろん三冠がかかるような馬のサンプルはそうそうないので、
・平成以降 ・世代限定GI(2、3歳GI) ・中20週以上
という条件で探すと、[5-1-2-67]となる。えらく悪い成績に見えるがこれは全く人気のない馬も含めたからであり、5番人気以内だった馬に限定すると[5-0-1-14]。さらに秋華賞と3歳限定時代のエリザベス女王杯に限定すると[5-0-1-10]。回収率は単206%・複95%。ファビラスラフインとクロノジェネシスが単回収率を上げてくれている。
そもそも、間隔が空いてGIという形は、秋華賞が圧倒的に多い。最初に示した[5-1-2-67]=75例のうち、過半数の42例が秋華賞である。同期間で中20週以上の菊花賞挑戦というのは6例しかない。そして優勝例の5例はすべて秋華賞におけるものである。
この形から1番人気ではテイエムオーシャンとアーモンドアイが勝ち、エアグルーヴが10着大敗。2番人気ではカワカミプリンセスが勝ち、ラッキーライラックが9着と負けている。
これを良いとするか悪いとするかは人によるだろうが、総合的に見ると「心配する必要はないが、デアリングタクトそのものにうまみはない」というのが妥当なところかと思う。そもそも秋華賞のぶっつけは他レースに比べて多いという点にも安心感があるし、1、2番人気馬5頭で3勝というのは、悪いものではない。レース間隔を気にせず買って、ヒモに配当妙味のある馬をいかに付けるかというのが無難に思える。
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須田鷹雄
1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。
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