2020年11月10日(火) 12:00
いまさら言うまでもなく、今年のエリザベス女王杯は例年の京都ではなく、阪神で行われるというところに特徴がある。
その変更はどんな馬にメリットがあるのか……といってもデータで表現するのは難しいので、単純に阪神芝2200mと京都芝2200mの種牡馬成績を見てみることにした。ディープインパクト産駒だらけの登録馬だけにどれだけ役に立つのかは微妙だが、一般レースにも使える話なので、この機会に記しておく。
エリザベス女王杯に産駒が出走する種牡馬の、11/8終了時点での阪神芝2200mにおける成績(通算)は以下の通り。出走数が3以下のキングズベスト、ゴールドシップ、モンテロッソは割愛する。
一方、京都芝2200mにおける通算成績はこちら。見比べやすいように阪神での着度数順に並べる。
ディープインパクトは両方とも良いのだが、京都がよすぎるぶん阪神での複勝率は10ポイントほど下がっている。逆にルーラーシップは勝率を下げて複勝率を上げている。ハービンジャーは複勝率としては僅かに下げるが、複穴を出している。スクリーンヒーローは阪神がベターのようだが、牝馬は京都で出走例2例のみ、阪神はゼロなのでどこまでアテにしてよいかは分からない。
問題は肝心のラッキーライラック→オルフェーヴルだ。この数字だけを見れば京都>阪神。こちらも牝馬の出走例は京都5例、阪神2例(うち1例ずつがラッキーライラック自身)だけなので神経質になる必要はないと思うが、より強気になる材料ではなさそうだ。
長くなったわりに狙いどころのピンとこない着地点になってしまったので、最後にちょっとおまけを。この2コースだと勝率・複勝率がほぼ同じで回収率が阪神だと下がってしまっているハーツクライだが、中京芝2200mでは[15-16-16-89]で勝率11.0%・複勝率34.6%、回収率が単124%・複102%と文句なしの成績を残している。同じ振り替えでも、中京芝2200mなら買いということを、将来の一般レースのためにも覚えておきたい。
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須田鷹雄
1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。
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