2020年11月17日(火) 12:00
先週のエリザベス女王杯はラッキーライラックが大外枠を克服して勝利したが、今週のマイルCSでもまた、外枠には注目する必要がある。
阪神競馬場も改修されて14年が経過し、若いファンはかつての芝1600m外枠不利の時代を知らないかもしれない。桜花賞などは特に枠順が明暗を分けたものだが、改修によって阪神芝1600mは極端から極端というか、馬券的には内枠が狙いづらい、穴は外枠から出やすいコースとなった。
改修以降、オープン特別以上で出走頭数14頭以上となったレース(全87レース)を対象にした枠番別成績が以下の通りである。
勝率や複勝率でもうっすら外枠有利の雰囲気はあるが、それ以前に1〜3枠の回収率がかなり低い。人気馬が地力で馬券圏内に入ってくることはあるだろうが、このゾーンから積極的に穴を狙おうということにはならない。
これを単勝10倍未満の馬に限定して枠番別成績を採ると、このような差異はほとんど感じられない。一方で単勝10倍以上の馬限定だと、勝率・複勝率も含めて1〜3枠の回収率は単16%・複34%とかなりひどいことになる。7〜8枠は単133%・複103%である。
グランアレグリアやサリオスが内枠に入ったところで嫌う必要はないが、狙っている穴馬がいる方はその馬が外枠に入るよう祈ったほうがよいだろう。
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須田鷹雄
1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。
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