2020年12月04日(金) 18:00
穴から勝負したいが「格」が上なのは…?(c)netkeiba.com、撮影:高橋正和
チャンピオンズCは、過去の傾向を見ると「内枠が有利」に見えるが、そうなっていることには理由がある。
その理由が「コース形態」。中京1800mは、スタートが上り坂、かつ残り約1000mまで緩い上りが続くので、前半のペースが上がりにくい。外枠からいい位置を取りに行くと脚を使ってしまうことになるし、控えるとロスのある進路取りになる。さらに、3~4コーナーが下りで、騎手が直線の長さと坂を意識して少し脚を溜めるので、直線で再加速する流れになる。このコース形態により、脚を使わずにロスなく走ることができて力を出し切りやすい内枠が結果を出しやすくなっている。
あとチャンピオンズCに関しては、人気馬が内枠に入っていることが多いことも、内枠有利に見えるデータを作り出している原因になっている。馬番10番より外で1番人気の馬は3頭いたが、19年2着ゴールドドリーム、17年2着テイエムジンソク、14年12着コパノリッキー。1頭も勝てていないのだが、コパノリッキーは出遅れ。ゴールドドリームが負けたのはクリソベリル、テイエムジンソクが負けたのはゴールドドリームで、少し後から見れば納得の結果。外枠だったから負けたと言える結果ではない。
また、過去6年の勝ち馬の馬番は、9番より内。ただ、人気を見ると2、12、6、8、1、2で人気薄も来ているが、全馬フェブラリーS、または1800m以上のGI・JpnIを勝っていた。12番人気で勝ったサンビスタは、牝馬限定のJBCレディスクラシック勝ちだが、前年チャンピオンズC4着の実績はあった(ハイペースの前崩れもハマっていた)。
今年の出走馬の中で、フェブラリーS、または1800m以上のGI・JpnI(芝は除く)を勝っている馬は、ゴールドドリーム、チュウワウィザード、モズアスコット、インティ、クリソベリルの5頭。さらに直近1年の1800n以上の中距離に絞ると勝っているのはクリソベリル・チュウワウィザードの2頭だけ。それも、チュウワウィザードが勝ったのは、クリソベリルが不在のレース。該当馬の少なさが表しているように現状のダート界の中距離路線は、トップクラスが強すぎるため例年以上に「格」の違いが結果に出ている(19年東京大賞典勝ち馬で、帝王賞2着・JBCクラシック2着のオメガパフュームが東京大賞典に専念してしまうくらい)。
中央GIで1番人気が7連勝中で、穴から勝負したい気持ちは理解できる。ただ、この現状を無視して外枠だから買わないという判断は危険な考え。「格」を重視して予想を組み立てることにより的中に近づけるはずで、勝ち馬が出ていない馬番10番より外に入ったが「格」が上のクリソベリル・チュウワウィザードを中心に考えないといけない。
ウマい馬券では、展開や各馬の適性など全馬の評価を記載しています。買い方が重要なレースでもあるので、買い方も含めて最終結論に注目して下さい。
■プロフィール nige(にげ) SEの仕事を辞して、2014年より「ダート馬券師兼馬券ヘルパー」として活動中。地方競馬を含めてダート競馬全般を得意としており、的確な分析には定評がある。過去の実績から、コース形態・馬場・展開・力関係など総合的に判断して、レース条件に合う適正な馬を選択するシンプルなスタイル。元サラリーマンなだけに、無理な穴狙いはせず、現実的に買えるように点数が少なることを意識して買い目を提供。ブログ「スマートボーイのように逃げたい…」随時更新中
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