【フェアリーS予想】1勝クラスの特別戦に近い重賞レースと考えるのが適当か

2021年01月10日(日) 18:00

強敵相手に食い下がった走りは評価したい

 それまでの12月の中山1200mから、2009年から1月の牝馬の「中山1600m」重賞となったフェアリーS。同時期の牡、牝混合の「シンザン記念」が桜花賞とかなり強く結びついているのに対し、牝馬限定のフェアリーS組からは2009年のジェルミナルが「フェアリーS1着をステップに、桜花賞3着」。2020年のスマイルカナが「フェアリーS1着を足がかりに、桜花賞3着」しただけ。

 牝馬路線の1600m重賞ではあるが、ここまで桜花賞との結びつきはきわめて乏しい。まして今年は1200mで2勝したラストリージョ以外の15頭はすべて1勝馬。

 過去10年、不思議に3番人気馬が【4-0-1-5】とがんばっているが、1-2番人気馬20頭は合わせて【3-1-2-14】の不振。1勝クラスの特別戦に近い重賞レースと考えたい。

 未知の魅力を持つ馬はいるが、重賞としてレベルは高くないとなると、人気でもテンハッピーローズの評価は下げられない。前走のアルテミスSは、勝ったソダシと0秒4差。2着ククナとは0秒1差の3着だった。2走前はそのあと阪神JFで鼻差の2着したサトノレイナスと0秒2差だった。

 エピファネイア産駒の活躍馬はことごとくサンデーサイレンスの「4×3」であることは知られるが、この馬もそのパターン通り。3代母オエノセラ(愛産。父Night Shift)の4分の3同血の弟Northern Spurノーザンスパーは、BCターフの勝ち馬で、米芝古馬チャンピオン。オエノセラといとこの種牡馬Marjuマルジュは、宝塚記念、香港ヴァーズなど重賞6勝サトノクラウンの父でもある。

 過去12回、馬連でさえ5000円以上の難しい結果が7回もある波乱度大のレースだが、テンハッピーローズを切る手はない。人気馬同士の決着はめったにないので、状態絶好の人気馬クールキャットは買うが、それ以外ではベッラノーヴァ、1600mの芝なら大きく変わって不思議ないラストリージョ、成績のわりに売れないオプティミスモを加えたい。

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柏木集保

1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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