日本ダービーの人気2頭にまつわるネタ

2021年05月29日(土) 12:00

騎手のダービー親子制覇は過去3組

 さぁ、日本ダービーです。

 もう書き尽くされているとは思いますが、注目点は2つ。エフフォーリアの2冠制覇なるか、と、サトノレイナスが牡馬を蹴散らして頂点に立つか、でしょう。確認の意味を込めて、両馬にまつわるネタをまとめてみます。

 まずはエフフォーリア。勝てば2年連続で無敗の2冠馬誕生となるわけですが、過去には1度だけ、1991年のトウカイテイオーと92年のミホノブルボンによって記録されています。

 同馬は1枠1番。皐月賞馬がダービーで1番のゼッケンを付けるのは3度目です。1993年のナリタタイシン、2016年のディーマジェスティが1番でしたが、ともに3着に敗れました。

 ただし、みなさんもご存知のとおり、最近のダービーで1番はラッキーナンバーと言ってもいいくらい。2007年までの74回で1番が勝ったのは、1962年のフエアーウインと68年のタニノハローモアしかいませんでしたが、2008年にディープスカイが勝つと、09年ロジユニヴァース、10年エイシンフラッシュまで3連覇。さらに13年にキズナ、19年にロジャーバローズが優勝しています。

 手綱を取る横山武史騎手には、父・典弘騎手との親子制覇がかかります。過去のダービー親子制覇は3組。中島時一(37年ヒサトモ)→啓之(74年コーネルランサー)、伊藤正四郎(1936年トクマサ)→正徳(77年ラッキールーラ)、武邦彦(72年ロングエース)→豊(98年スペシャルウィークなど5回)が記録しました。

 典弘騎手は2009年にロジユニヴァース、14年にワンアンドオンリーで2度、ダービージョッキーとなりました。また、1998年にはセイウンスカイで皐月賞を勝っています。ダービーを複数回優勝した騎手の子が勝てば史上初。皐月賞+ダービーの親子制覇は、武邦彦→豊親子に次いで史上2組目となります。

 そしてもう1つの注目点、サトノレイナスが勝てば、の牝馬制覇について。07年、ウオッカが勝った時に話題になりましたが、それ以前には1937年にヒサトモ、43年にクリフジの2頭が記録しただけ。戦後ではウオッカしか優勝していないわけです。

 サトノレイナスが引き当てたのは8枠16番。1992年にダービーの最大出走可能頭数が18頭になってから、8枠の馬が馬券に絡んだのは9回で、そのうち7回が2007年以前。08年から去年までの13回では2回しかありません。

 先に、08年からは1番がラッキーナンバーになった、と書いたのとは逆に、その頃から8枠(16〜18番)の馬には厳しくなりました。ちなみに、16番の馬が勝てば1985年のシリウスシンボリ以来となります。

 馬券を買う上では、そのシリウスシンボリ(岡部幸雄→加藤和宏)を最後に、乗り替わりの馬は35年も優勝していない、ということを考慮したほうがいいかも(エフフォーリア、サトノレイナスは大丈夫)。となると、ワンダフルタウンがテレビ東京杯青葉賞馬としては初のダービー馬となるか、にも注目ですかね?

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矢野吉彦

テレビ東京「ウイニング競馬」の実況を担当するフリーアナウンサー。中央だけでなく、地方、ばんえい、さらに海外にも精通する競馬通。著書には「矢野吉彦の世界競馬案内」など。

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