2021年08月20日(金) 18:00
人気のサトノラディウス(父ディープインパクト)と、ゼーゲン(父ディープインパクト)が、4着、6着した5月15日の「緑風S2400m」は、超スローの展開で勝ちタイムは「1分14秒8-1分09秒4」=2分24秒2だった。
一方、伏兵リーヴル(父ノヴェリスト)が快勝した5月30日の「青嵐賞2400m」は同じ東京で「1分10秒8-1分12秒4」=2分23秒2である。
Bコースと、Cコースの違いはあっても、1秒0も時計に開きがあると評価はややこしくなる。サトノラディウスは2分24秒4、ゼーゲンは2分24秒8でもあった。
だが、レースの前半1200m通過に「4秒0」もの差があり、中身のバランスがあまりにも違いすぎる。先行して抜け出したリーヴルの時計は、シャフリヤールの勝った同日の日本ダービーの2分22秒5「1分12秒7-1分09秒8」のダービーレコードと大きな差はなかったが、速いペースに引きずられたものでリーヴルの上がりは「36秒2」。シャフリヤールの上がりは33秒4だった。
対して、スローにはまって負けたとはいえ、サトノラディウス、ゼーゲンの上がり3ハロンは「33秒6と33秒7」。走破時計は1秒0以上遅いが、レースレベルは緑風Sの方が一枚上だろう。実際、緑風Sを小差3着だったシルヴァーソニックは次走のジューンSを勝っている。
サトノラディウスは今回、去勢明けの一戦という死角はあるが、入念に乗り込んで調整され、身体つきが細くなっている印象はない。
3代母Anna of Saxonyアンナオブサクソニーは、今年の英ダービー、キングジョージVI世&クイーンエリザベスSを連勝したAdayarアダイヤー(父Frankel)の3代母でもあるというファミリーの勢いにも注目したい。
先行するリーヴルと、前回差がなかったゼーゲンが相手。早めに行けるエターナルヴィテス、さらにエヒト、エドノフェリーチェが連下候補。
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柏木集保
1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。
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