2022年03月11日(金) 18:00
牝馬同士のハンデ戦。春の牝馬は体調の変化が大きい。過去10年、1番人気馬は【1-2-2-5】にとどまり、ハンデ56キロ以上の勝ち馬は1頭だけ。
今年はハンデ55キロ以上の実績上位馬が7頭いるが、この10年、連対馬21頭中の17頭(約80%)を軽いハンデ54キロ以下の馬が占めている。
上位(1-3)番人気同士の組み合わせは一度もないので、軽いハンデの伏兵を連勝の組み合わせに入れておきたい。
4歳クールキャット(父スクリーンヒーロー)は、6番人気で挑戦した昨年のオークス以降ひどい着順だが、前走は勝ったルビーカサブランカ(父キングカメハメハ)と0秒4差だけ。今度は背負う負担重量が逆転し、1キロ重かったものが、逆に1キロ軽くなる。叩き2戦目、動きは確実に良くなっている。
2勝は東京で中山コースに良績はないが、昨年のこの時期のGIIIフラワーC1800mは上がり最速の35秒0で後方から伸びた。5着ながら差は0秒3。3着だった人気のユーバーレーベンとは0秒1差しかなかった。
父スクリーンヒーローは、日曜の金鯱賞のジャックドールの父モーリスの父でもあるが、どちらかといえば4歳以降に本物になる父系。祖母メジロクロヒメがメジロマックイーンとイトコの関係になる出身ファミリーも、古馬になって本物になる少し遅咲き型。真価発揮はこれからと思える。
ハンデ戦の内回り1800mで、行きたい軽ハンデ馬が複数いる組み合わせ。クールキャットが歓迎しないスローになる危険は少ないはずだ。
相手には55キロ以上の実力馬も入れなければならない。56キロでも侮れないのは伏兵アブレイズ(父キズナ)。もともと攻め馬は動くが、3週連続して栗東坂路51秒台。思われた以上に仕上がっている。3走前のメイSの勝ち方は鋭く、上がり33秒8。追って伸びる馬に成長している。
穴馬は前走、牡馬相手のディセンバーS(L)1800mを楽々と逃げ切っているローザノワール(父マンハッタンカフェ。田中勝春騎手)。確かに恵まれた逃げ切りだったが、強気に行けば今度もマークされる立場ではない。クールキャットから手広くいきたい。
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柏木集保
1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。
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