2020年02月21日(金) 18:00
今年はフルゲート16頭の中に、ステイゴールド系種牡馬の産駒が「オセアグレイト、ステイブラビッシモ、タガノディアマンテ、ダノンキングダム、バレリオ、ミライヘノツバサ」。合計6頭もいる。中でも、人気のオセアグレイト、タガノディアマンテは同じオルフェーヴル産駒であると同時に、これから成長する若い4歳馬。
近年、ステイヤーを輩出する種牡馬は限られ、この3400mのGIIIを8歳までに【3-1-0-1】だったフェイムゲーム(父ハーツクライ)や、3600mのGIIステイヤーズSを10歳で勝ち、11歳までに【1-1-2-3】だったトウカイトリック(父エルコンドルパサー)のようなタフな長距離馬はめったに出現しない。
3200mの天皇賞(春)を勝ち負けするくらいにパワーアップしてくれれば文句なしだが、そこまでいかなければ、ステイゴールド系種牡馬の産駒には、ダイヤモンドS、ステイヤーズSの常連となる馬が連続して欲しいものだ。
3000mの万葉Sを4コーナー手前からのスパートで圧勝したタガノディアマンテ(菊花賞0秒6差、7着)は、もともとがタフな一族出身。半兄タガノトネール(父ケイムホーム)は、2016年の武蔵野S制覇など、公営競馬を合わせ38戦【8-7-4-19】の成績を残した。
3代母は輸入牝馬ヘバ(父Nureyev)。4代母になるLikely Exchange(ライクリーエクスチェンジ)は、輸入牝馬フェアリードール(トゥザヴィクトリー系の日本での牝祖)の祖母でもある。このタフな牝馬にはダート10FのGI制覇を含む72戦【23-15-13-21】の記録がある。
タガノディアマンテは2戦目の未勝利芝1800mを東京に遠征して勝っている。まだハンデは55キロ。順当にチャンス大だろう。
新星、上がり馬の魅力はオセアグレイト。前走の中山2200mの時計は目立ったものではないが、好位のインにつけて折り合い、上がり34秒5(推定11秒5-11秒2-11秒8)で坂上から人気のサトノエルドールを突き放す完勝だった。
輸入牝馬の母ブルーダヌーブは、Doff the Derby(ドフザダービー)の一族。ジェネラス、オースミタイクーン、ディーマジェスティなどを送ったことで知られるが、ブルーダヌーブの半姉エルノヴァは05年のステイヤーズS2着馬。祖母シンコウエルメスはSadler's Wells産駒でもあり、オセアグレイトの全4勝は2200-2600m。タフなステイヤーに育つ可能性を秘めている。
人気の中心はタガノディアマンテだが、同じオルフェーヴル産駒のオセアグレイトにも同じくらいのチャンスがあるはずだ。
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柏木集保
1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。
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