2014年05月31日(土) 12:00
◆1月から予想を始めていた今年のダービー
さぁいよいよ日本ダービーです。
今年第1回の当コラムで、ダービー馬はイスラボニータ、と予想しました。その理由は、
(1)ここ20年のダービーでは、2歳重賞出走馬と不出走馬(3歳デビュー馬を含む)が10勝ずつしているが、06年以降の8年間で見ると2歳重賞出走馬が6勝で優勢 (2)20年間に10頭いた2歳重賞出走→ダービー優勝の馬のうち7頭は2歳重賞を勝っている (3)前年のダービー馬が勝った2歳重賞の優勝馬はダービー馬になっていない (4)函館の札幌2歳Sのようなイレギュラー開催の重賞や牝馬限定の阪神JFの勝ち馬は例外にあたるので除外する
というものです。そこから導き出された結論がイスラボニータだったわけ。理路整然。実に明快な予想ですよね(自画自賛)。
とはいうものの、2歳重賞不出走組も気になったので、次の回のコラムでは、そういう馬の中でダービー馬となった馬の成績を調べてみました。このうち、3歳でデビューした馬を除外。残る8頭の成績から浮かび上がって来たのが、
(a)デビュー戦の上がり600メートルのタイムがメンバー中3位以内だった (b)これまでに35秒未満の上がりタイムを出したことがある (c)これまでのレースで上がりタイムがメンバー中3位以内に入らなかったのは1度以下
という3つの条件です。2歳重賞不出走→ダービー優勝の馬のほとんどが、この3条件をすべて満たしていました。
で、その回のコラムではトーセンスターダムとバンドワゴンを推奨。バンドワゴンは戦線を離脱してしまいましたが、トーセンスターダムは3条件をクリアした状態でダービーに出てきました。
そして今、最後の決断をしなければなりません。2歳重賞出走(優勝)組から選ぶなら、本当にイスラボニータでいいんでしょうか? やっぱりフジキセキの仔には、距離の壁が立ちはだかりますよね。netkeibaのデータベースで見ても、2200メートル以上のレースになるとフジキセキ産駒の勝利数は極端に少なくなります。そうすると、上記(3)や(4)の項目を度外視する手もありそうです。
一方、2歳重賞不出走組では、(a)〜(c)の条件を満たす馬が何頭か出てきました(でも、トゥザワールドやショウナンラグーンはこれには含まれません!)。ただし、皐月賞の後にもう1戦した馬はこのところ不振ですし、重賞を勝っていないNHKマイルC出走馬がダービーを制したこともないので、そういう馬は除外しちゃいましょう。
ここまでのデータ作戦で絞り込んだダービー馬候補は2,11,13,16,17,18の6頭。前走とは違う騎手が乗ってダービーを制した例は85年以降なし、13番から外の馬はここ10年勝っていない、オークスもそうだったように「ディープインパクトに勝つのはハーツクライ」、ということからすると、ワンアンドオンリーが最有力なのかもしれませんよ(正月の予想は何だったんだ?)!!!
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矢野吉彦
テレビ東京「ウイニング競馬」の実況を担当するフリーアナウンサー。中央だけでなく、地方、ばんえい、さらに海外にも精通する競馬通。著書には「矢野吉彦の世界競馬案内」など。
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