【阪神JF】注目種牡馬ドゥラメンテとキタサンブラック産駒に感じる可能性

2022年12月10日(土) 12:00

「躍り出た ヒロイン候補 あとは春」

 底を見せていない、この先の可能性だけを見据える2歳馬の重賞は、函館2歳Sから始まって11月26日のラジオNIKKEI杯京都2歳Sまで、11レース終った段階で、4番人気以下の勝利が7回もあった。

 上位人気で勝った馬は、札幌2歳S1番人気のドゥーラ、サウジアラビアロイヤルC2番人気のドルチェモア、アルテミスSを3番人気で勝ったラヴェル、デイリー杯2歳Sを3番人気で勝ったオールパルフェの4頭だけ。この時期で先を見るのがどれだけ難しいか分かる。

 この4頭の中で阪神ジュベナイルフィリーズに出てくるのは、ドゥーラとラヴェルの2頭。ドゥラメンテとキタサンブラックの産駒で、父馬は3年目、2年目の世代を送り出したばかりでこれからの種牡馬だ。

 若い馬たちを占うとき、その種牡馬の勢いも大いに参考にしたくなるが、2020年に産駒がデビューしたドゥラメンテは、今年は桜花賞とオークスの2冠牝馬スターズオンアースと春の天皇賞、宝塚記念を勝った4歳馬タイトルホルダーが出ている。

 一方のキタサンブラックは、秋の天皇賞で3歳馬イクイノックスが勝っていた。と言うことは、どちらの種牡馬も最初の世代からGI馬を輩出したことになる。この流れを受けてそれぞれの産駒ドゥーラとラヴェルが阪神ジュベナイルフィリーズでいい結果を出すと予測してもおかしくはないだろう。

 ドゥーラは3戦2勝、全て札幌1800米ばかりを走ってきた。速いタイムへの対応が鍵だが、3戦ともレース最速の上がりタイムをマークしていて、阪神外回りの舞台なら2年前のソダシの例もあり、可能性は大きい。

 ラヴェルは2戦2勝、このGI戦で一番良績を上げているアルテミスSの勝馬で鋭い末脚を武器にしている。2戦ともスタートが遅かったが走ることに前向きで、それを巧くコントロール出来ていた。昨年4着でチューリップ賞をこの春勝っているナミュールの半妹で、これは心強い。

 種牡馬からレースを俯瞰(ふかん)すると、ドゥラメンテ産駒のもう一頭、リバティアイランドに目が止まる。2戦1勝だが、アルテミスSでは直線に進路がなくなり、仕掛けのタイミングが遅れてクビ差の2着だったが、何と言っても新潟のマイルの新馬戦でマークした上がり3ハロン31秒4は、驚異的だった。世代屈指の決め手を持っている馬のこの武器が、今後どう生かされていくか注目だ。

 そして、現在2歳馬のサイアーランキングのトップにいるエピファネイアも見ておきたい。レースには、サンティーテソーロとモリアーナが出てくる。2頭はエピファネイア4年目の世代だが、どちらも、この3年人気薄で2、3着に入線している関東馬というところに面白味がある。重賞には出ていないが、スピードの違いで逃げて2連勝のサンティーテソーロは、2戦とも最速の上がりをマークしており、本当はどうなのか、興味がわく。

「躍り出た ヒロイン候補 あとは春」

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長岡一也

ラジオたんぱアナウンサー時代は、日本ダービーの実況を16年間担当。また、プロ野球実況中継などスポーツアナとして従事。熱狂的な阪神タイガースファンとしても知られる。

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