【NHKマイルC】好走馬たちのキャリアを遡ると見えてくるレースの方向性

2021年05月08日(土) 12:00

東京マイルは前半が後半より速いのがポイント

 勝利の意図をどう手繰り寄せるか。NHKマイルC優勝馬、及び2着に好走した馬たちのキャリアを遡ると、実は様々なことが見えてくる。そこから、このレースの方向性がつかめる筈だから、ちょっと試みてみた。

 この5年、まず阪神ジュベナイルFの勝ち馬は2頭がこのNHKマイルCに出走し、2016年メジャーエンブレムが1着、昨年レシステンシアが2着になっていた。2頭とも、桜花賞で1番人気に支持されたが、それぞれ4着、2着と惜敗し、オークスから方向転換してマイルのGIに出ていた。もうひとつの2歳のGI戦朝日杯FSの勝ち馬は、多くが皐月賞からダービーをめざすのでこちらには回ってこないが、一昨年のアドマイヤマーズは、皐月賞4着からこのNHKマイルCの勝ち馬になっていた。

 この4年間の荒れ方が目につくが、中でも3連単はすべて6ケタの配当が続いていて、とにかく冷やかしぐらいの気分でチャレンジしてみたいレースだ。

 昨年9番人気で勝ったラウダシオンは、朝日杯FSの8着から立て直し、年明け、東京と中京の1400米で1、2着して本番に登場していた。逃げたレシステンシアを目標に2番手で流れに乗せ、手応え十分に成果を見せていた。2年前、14番人気で2着に入ったケイデンスコールは、新潟2歳Sの勝ち馬で朝日杯FSは13着の大敗。年明け3月の毎日杯1800米を4着とひと叩きして臨んでいた。大外枠で終い勝負に賭け、大外から3ハロン33秒6の最速ラップで上がっていた。3年前に6番人気で勝ったケイアイノーテックは、朝日杯FS4着、NZT2着の戦績があり、33秒7の最速の上がりで決め、4コーナーからの追いどおし、長くいい脚を使ってディープインパクト産駒らしさが目を引いた。そして4年前、クイーンC2着で桜花賞5着だった2番人気のアエロリットが勝ち、2着に13番人気のリエノテソーロという波乱だった。リエノテソーロは2歳時4戦4勝でJpnIの全日本2歳優駿を勝っていたが、年明けのアネモネS4着で人気の盲点になっていた。戦ってきた路線が違いすぎたとも言える。

 NHKマイルCは、東京の1600米という点が大きなポイントで、とにかく前半マイルが後半より速い。しかも、長い直線で坂もあるからスタミナが問われる。比較的スローに流れる中山のNZTとは違う点は、大きなポイントだ。

 そこで今年は、朝日杯FSを勝ったグレナディアガーズが中心。ファルコンS2着は荒れた芝でひと伸びを欠いたが、改めて狙ってみたい。アネモネSを勝ちながらレース間隔を取って出走のアナザーリリック、東京のマイルで強い勝ち方をしたソングラインの牝馬2頭、それにシュネルマイスター、左回りで大変身のショックアクションと指名したい。

「冷やかしの 思いつきでも やってみる」

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長岡一也

ラジオたんぱアナウンサー時代は、日本ダービーの実況を16年間担当。また、プロ野球実況中継などスポーツアナとして従事。熱狂的な阪神タイガースファンとしても知られる。

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