2021年11月05日(金) 18:00
今年の新種牡馬「シルバーステート、ビッグアーサー、ディーマジェスティ、ロゴタイプ」の産駒を筆頭に、2年目の「モーリス、ディスクリートキャット、ダノンレジェンド」の産駒もいて、いかにも未来に通じる2歳重賞らしい組み合わせになった。
伏兵トウシンマカオの父は、新種牡馬ビッグアーサー(その父サクラバクシンオー)。
11月4日終了現在、全国で10頭が勝ち上がり13勝。ただ、JRAの勝ち馬は2頭(2勝)だけなので、ランキング38位にとどまっているが、そろそろJRAの芝の重賞で快走する馬を送って期待に応えたい。
不滅のプリンスリーギフト系として「テスコボーイ→サクラユタカオー→サクラバクシンオー→ビッグアーサー」と続く父系は、日本のサイアーライン史上最長の50年以上も存続する貴重な父系だが、現在は、2010年のこの重賞の勝ち馬グランプリボスと、高松宮記念など8勝した新種牡馬ビッグアーサーが代表格で、後継馬は限られる。
この父系は、2019年の2着馬ビアンフェ、2016年1着馬モンドキャンノ(ともに母の父サクラバクシンオー)など、1400mの京王杯2歳Sに合い、近年でもその影響力は薄れていない。
トウシンマカオの新馬戦1600m快勝は1分35秒3(上がり34秒8)。ハデな勝ち方ではなかったが、終始ライバルと併走の先行策から、体をひと回り大きく感じさせる大きなフットワークで抜け出して2馬身半差。最後まで楽だった。中間の好調教が示すように、サクラバクシンオー系は軽快なスピード型だが、使って良くなる特徴がある。
半兄のベステンダンク(父タイキシャトル)は通算7勝のオープン馬。9歳馬ながら果敢に飛ばした先週のカシオペアSは1秒0差でがんばっていた。
確たる中心馬はいないので、シゲルファンノユメ(父ディーマジェスティ)、ラブリイユアアイズ(父ロゴタイプ)など、新種牡馬の産駒を含めて手広く流したい。
阪神の2歳牝馬重賞「ファンタジーS」の注目馬は、2連勝中のウォーターナビレラ。父シルバーステート(その父ディープインパクト)は、目下新種牡馬ランキングで1位のドレフォンと接戦の2位。すでに全国で18頭が23勝もしている。
前走の上がりはシャープに伸びて33秒6。決して早熟な短距離系ではなく、こなす距離の幅は広い。追い込む形もOKだろう。
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柏木集保
1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。
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