サマーセール開催中

2005年08月23日(火) 20:01

 停滞していた前線がようやく東へ去り、北海道に大陸から秋の高気圧が張り出してきた。そのため、週明けからようやく気温が下がり始め、今日(23日)あたりはかなり過ごしやすくなった。午後3時で摂氏20度くらいのものか。曇ってはいるが、湿度はさほど高くない。快適な気候になった。

 とはいえ、昨日から始まっている「サマーセール」は、今日で2日目だが、何とも売れ行きが芳しくない。初日は名簿記載頭数267頭中、上場227頭(牡134頭、牝93頭、欠場40頭)。そのうち、落札されたのは牡45頭、牝18頭の計63頭。売却率27.75%、売上げ総額3億880万5000円。初日はやや低調だが、2日目、3日目と売却率は上昇するのが今までの傾向だった。

 しかし、2日目になっても、数字は好転するどころか、むしろ悪化している。まだこれを書いている時間帯も市場は進行中なので最終的な2日目の集計は出ていないのだが、どうも事態はかなり深刻なようだ。

 それにしても、名簿上では計1337頭もの上場申し込みである。需要はむしろ減少の一途をたどっているのに、上場頭数は相変わらず多い。明らかに供給過剰であり、買手市場に傾き過ぎているのだ。

 最終的な結果を待たなければ安易に結論を下すわけにも行かないが、この分では厳しい数字になるだろう。やはり、同じ静内で開催される市場でも、先月の「セレクションセール」とは違い、このサマーセールは“売れ残りセール”の印象が強い。そして、種牡馬にもかなりのばらつきが見られる。

 上場頭数の多い種牡馬を以下に列記してみると、次のようになる。

アジュディケーティング 21頭(牡6、牝15)
エアジハード 23頭(牡12、牝11)
エイシンサンディ 15頭(牡9、牝6)
カコイーシーズ 15頭(牡9、牝6)
キャプテンスティーヴ 20頭(牡11、牝9)
キンググローリアス 19頭(牡12頭、牝7頭)
キングヘイロー 23頭(牡11、牝12)
グラスワンダー 16頭(牡9、牝7)
ジョリーズヘイロー 22頭(牡14、牝8)
スキャン 18頭(牡12、牝6)
スクワートルスクワート 20頭(牡9、牝11)
スターオブコジーン 17頭(牡7、牝10)
チーフベアハート 19頭(牡11、牝8)
ディアブロ 35頭(牡20、牝15)
ティンバーカントリー 40頭(牡16、牝24)
ナリタトップロード 29頭(牡14、牝15)
ニホンピロニール 15頭(牡10、牝5)
ニューイングランド 22頭(牡11、牝11)
バブルガムフェロー 26頭(牡10、牝16)
パラダイスクリーク 26頭(牡12、牝14)
ハンセル 21頭(牡9、牝12)
ブラックタキシード 21頭(牡10、牝11)
ブラックホーク 17頭(牡13、牝4)
ボストンハーバー 17頭(牡8、牝9)
マンハッタンカフェ 15頭(牡1、牝14)
リンドシェーバー 17頭(牡12、牝5)

 上場申し込みが15頭以上の種牡馬を拾ってみた。あるいはチェック漏れがあるかも知れないし、1300番から1337番の追加名簿分を見ていないので、他にも15頭に達する種牡馬がいるかも知れないが、ざっとこんなところだろうと思う。

 2年前、日高で多頭数交配した種牡馬といえば、ディアブロ、ティンバーカントリーといったあたりだが、その結果が上場頭数にも反映している。一方、昨年までの評価から一変し「一流種牡馬」の仲間入りをした筆頭格はスペシャルウィーク。こちらは9頭の上場申し込みで、牡の産駒はわずか1頭である。

 また、アグネスタキオン、クロフネ、フジキセキ、タイキシャトルなどの高評価を得ている種牡馬の産駒も少ない。いわば圧倒的多数を占める“普通の馬”が大挙して上場されてくるのがサマーセールであり、残念ながら、そういった平凡な1歳馬ではもう市場で販売すること自体が難しい時代になってしまったということである。(追記、2日目は243頭が上場され、落札62頭、主取り181頭。売上げ総額3億2828万2500円。売却率は25.51%。やはりかなり厳しい数字である。最終的にどれほどの数字となるものやら。)

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田中哲実

岩手の怪物トウケイニセイの生産者。 「週刊Gallop」「日経新聞」などで 連載コラムを執筆中。1955年生まれ。

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