2019年03月30日(土) 12:00
24日に行われたばんえい記念は、同レース初挑戦の7歳馬センゴクエースが鮮やかな勝利を収めました。一方、史上3頭目の3連覇を目指したオレノココロは2着、これが引退レースとなったフジダイビクトリーは3着に敗れました。
今年は、何はともあれ出走全8頭が無事に完走してメデタシメデタシ。入場者数6000人超え、馬券売上2億3000万円超えと、喜ばしい実績も残しました。この好調を、ぜひ新年度にもつなげてもらいたいもの。皆様方のさらなるご支援、ご協力をよろしくお願いいたします。
さて、先週の当コラムでは、黒船賞を見に行ったときに高知で耳にした気になる話を書きました。で、今回のテーマは、ばんえい記念当日に帯広競馬場で聞いた、もう1つの気になる話です。
ばんえい競馬を主催しているのは帯広市。“現場”には、市から出向してきた職員の方がいます。このたび、そこで人事異動があり、4月からは新任の方が入ってくるとのことです。
現地で、市に戻られる方にご挨拶いただいたのですが、その方からこんなお話を伺いました。「これからしばらくの間、競馬場に出向してくる市職員は、ばんえいの売上が悪かったときに採用された人たちになるんです。その世代の職員には、積極的に競馬場で仕事をしたいと思っている人材が少ないんですよ」。
これにはハッとさせられました。確かに、馬券売上が減って主催者がもがいている時期に、わざわざその中に飛び込んで行こうとするような強者は、そうはいないでしょうね。
となると、ばんえい競馬にはあまり関心がなかった、あるいは、競馬のことはよく知らない、という人が出向してくる可能性があります。その人たちが現場に入ったとたんに、ばんえい競馬の魅力にとりつかれてくれればいいんですけど…。
いや、ここはそんな心配をするより、そういう職員さんにもドップリとばんえい競馬の世界に浸ってもらえるように、周りで後押しするしかありませんね。くどいようですが、帯広の町で、ピークの1日に6000人もの観客を集め、2億3000万円以上の売上を計上するイベントが他にあるでしょうか?
競馬場に出向してくる職員さんには、そのことを頭の中にしっかり叩き込んで、ばんえい競馬のためにご尽力いただきたいと思います。どうかよろしくお願いしますね!!!
さてさて、30日夜はドバイワールドカップデー。翌31日は大阪杯。日本の競馬を背負って立つ現役の精鋭たちがワンサカ登場してきます。大阪杯のメンバーを見渡すと、ハービンジャーの産駒が2頭いるだけで、あとの12頭は内国産種牡馬の仔。平成の初め頃には考えられなかったようなことが現実になっています。これって、けっこうスゴイことだと思いませんか?
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矢野吉彦
テレビ東京「ウイニング競馬」の実況を担当するフリーアナウンサー。中央だけでなく、地方、ばんえい、さらに海外にも精通する競馬通。著書には「矢野吉彦の世界競馬案内」など。
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