人海戦術で乗り切ったJBC

2019年11月09日(土) 12:00

これからのイベントのあり方を考える

 4日に行われたJBC。浦和競馬場には3万人近い来場者が押し寄せました。しかし、どうやら大きなトラブルもなく開催できたようです。関係者の方々はホッと胸をなで下ろしているところ、かもしれません。

 私は、先週の当コラムで予告したとおり、浦和駅東口でのPV(パブリックビューイング)的イベントに出演させていただきました。でも、せっかくなので場内の様子を見ておこうと、仕事場に向かう前にちょっとだけ競馬場に立ち寄りました。

 南浦和駅東口から競馬場を経由して浦和駅まで歩き通して最も印象に残ったのが、案内・誘導スタッフの多さです。

 この日限定で設けられた送迎バス乗り場への誘導や、歩いて競馬場へ向かうファンのための道案内に多くのスタッフが配置されていたほか、入場門付近や場内の至るところにもスタッフが待機。“にわかファン”への対応や事故防止などに備えていました。

 一度に大勢の人が集まるイベントを大過なく開催するには、何はともあれ“人海戦術”、なんでしょうね。

 もう1つ、場内で目立ったのが「wifiアクセス」のお知らせ。「馬券購入はインターネット投票でどうぞ」というような案内もしていました。主催者側からすると、窓口で馬券を買ってもらったほうがいいはずですが、大勢の来場者をイラつかせないためには、ネット投票を促すのもやむを得なかったようです。

 そもそも、私が出演した浦和駅東口でのトークショーは、ネット投票できるファンに向けたものでもありました。JBCに限らず、日本ダービーとか有馬記念とか、“競馬の祭典”が開催される時には、ネット投票するファンを集めたPVイベントをもっと積極的に実施してもいいんじゃないか、と思います。

 来年11月3日(火・祝)に行われるJBCは、既存のクラシック+スプリント+レディスクラシックを大井で、新設の2歳優駿を門別で“分離開催”することになっています。当日は11月の第1火曜日で、メルボルンCの開催日。これは、絶好の機会ですよ。

 まだ来年のメルボルンCの馬券がJRAのネット投票で発売されるかどうかわかりませんが、もし発売されるようなら、それも取り込んだPVイベントを開催してはいかがでしょう? JRA非開催日の海外馬券は、どっちみちネット投票でしか買えないわけですからね。日本とオーストラリアの競馬の祭典が融合する、めちゃめちゃ画期的な楽しいイベントになると思うんですけど・・・。

 ただそれには、映像の放映権など、ややこしい問題が発生するかもしれません。さらに、あらかじめ準備しても、メルボルンCに出走する日本馬がいなければポシャってしまう可能性もあります。

 ウーン、実現は難しいかなぁ。前提として、地方競馬とJRAとの連携が必要ですからね。でも、関係者のみなさん、ぜひご一考を!

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矢野吉彦

テレビ東京「ウイニング競馬」の実況を担当するフリーアナウンサー。中央だけでなく、地方、ばんえい、さらに海外にも精通する競馬通。著書には「矢野吉彦の世界競馬案内」など。

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